悲痛と不可解～続・昇進問題～

先の日記で、マキャルヴィ本部長はマルヴァニー事件を解決できなかった自分が許せなくて昇進を拒んだのでは、昇進を受け入れられるようになるまで１５年くらいかかったのでは…ということを書きました。

でも、それもちょっと変。

２０年もの間、ずーっと紙入れにメアリ・マルヴァニーの写真を入れてる人がですよ。
（ところでこの写真、今も紙入れに入れてるのでしょうか）
ずーっと事件を追い続けているような人がですよ。
肝心の事件が解決してないうちに、自分を許して昇進を受け入れるかなあ。

…なんだか、変な気がします。
先の文章で、その辺あっさり流したのをちょっと反省して考えてみる。


大人の事情も色々あるでしょうから、ずーっと断るのは無理なのかも。
ジュリーが警部から警視に昇進したときも、あのレイサーをもってしても（笑）止められなかったんですから。
でも、ジュリーが昇進について悩んでる「『化かされた古狐』亭の憂鬱」を見ると、当人の意思である程度は昇進しないこともできる感じも。

　だが、ジュリーが選抜評議会に出ないのは、警視昇進について気持ちが定まらないから、それだけだった。（『化かされた古狐』ｐ262）

その、選抜評議会とかに出ないでいれば、ある程度は延ばし延ばしにできるのかな？

仕方なく昇進。可能性はあると思います。優秀な人なら部長刑事のままほっとくわけにもいかないかと。
でも別の理由があったとしたら？
だって、５年かそこらで部長刑事から主任警視まで…って、警部・警視も間にありますよね。昇進早くない？
それまでの間ずーっと部長刑事だったのに。
…あえて、「さきの考察自体が間違っている」というのは見ないふり。すみません（苦笑）。


まだ固まってはいないのですが、一つ考えているのがこれ。

ロジャー・ヒーリーの事件で、下っ端警官では越えられない壁があると思い知ったため。

…どうかなあ。


「驚いたなあ。よくそんなこまかいことまで覚えてますね。あなたの担当ではなかったんでしょう？」
　またしばらくの沈黙があった。「いや、興味を感じただけだよ。一人の少年が誘拐され、五百万ポンドの身代金を要求された……」
　ウィギンズはひゅうと口を鳴らしてメモを続けた。
「だれだって興味を持たないではいられない事件だった。それに、グッドールがへまなことをやるのを見ていられなくてね。まず、彼の部下が、誘拐犯と連絡を取ろうとして失敗した。あの頃おれは部長刑事だった」マキャルヴィの口調には悲痛と不可解の気持ちが入り混じっていた。（「『古き沈黙』亭のさても面妖」ｐ57）


自ら事件を買って出た本部長、当時部長刑事ですが、当誘拐事件の担当はグッドール警視。
で、誘拐された少年の家族の前で「金を渡すということは、二人の子どもの死刑執行令状にサインするようなもんですよ（『古き沈黙』ｐ60）」なんていってグッドール警視や家族の怒りを買ったりしている。
肝心要のネル・ヒーリーに本意は伝わり身代金は支払われませんでしたが、結局事件は未解決のまま。
下っ端でも優秀だったといえ、事件に関わるにも限界があるのでは。

それで、その後５年かそこらで部長刑事→主任警視にまで駆け上がったのではないかなと。
とりあえず文句なしに自分が先頭に立って解決に当たれるところまで上へ。
その甲斐あって？　今は、
「デヴォンで起きた事件は全部、マキャルヴィの事件だよ」（「『独り残った先駆け馬丁』亭の密会」ｐ57）


…うーん、なかなか妄想の域を抜け出せない。
いきなり書いて詰めが甘いのか、やっぱり「自分が許せなくて昇進を拒否」という前提自体が変なのか（汗）。

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乱文失礼いたしました。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。