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「小さなひしゃく」亭・ロビー

三月やよい個人創作漫画サークルのブログ。 漫画からイラストから、園芸から料理やなんかまで、無軌道な創作の記録(汗)。

表現しない自由、表現に挑戦する自由

(12/6追記:既刊の漫画の検討忘れてた。とりあえず書き足し。その他細々追加。
 既刊の画像、ネタバレにならなさそうなところ一枚追加)


こんにちは。
某サイトの掲示板で、「優等生漫画で面白くない」と書かれてた漫画の作者、三月やよいです。
(ちなみに「海岸ウォーカーズ」の感想でした。
昔、偶然見つけて凹んだ。それ以上に、私はこの人の連絡先知らないけど、書こうと思えば私とコンタクト獲りやすい場所に書ける人なのに、あえてあんな私が見つける可能性の低いところに書いてた、というところに凹んだ。
万が一、書いた人ココ読んだら、同じこと仕返すかたちになってしまって本当に申し訳ありません。連絡取りかたもわからなくて…)

なんか東京都青少年の健全な育成に関する条例案が再提出されてるみたいですね。自分はその条例案は通って欲しくないと思う。
なので、それにちなんで、自分の漫画における「暴力描写や性描写」について考えてみた。

…って、ほとんどの人がどうでもいい話題だと思うので、たたみます。
ほぼ、自分の反省材料として書いてます。
昔のはずかしいネームや漫画の一部も出してます。容量大きすぎたから、ブログに載せきれず、別館にわざわざページ作って出してます。結果的に誰でも見れる状態になっていいんだかわるいんだか。
なんだかんだいって、暴力描写とか悪い人描写すからね?
そういうのイヤという人は読まないでね。
言ったからね?

というわけで、それでも読むよ、という人は、「つづきはこちら」からどうぞ。



はい、というわけで。

↑の「優等生漫画」が象徴するように、ウチの漫画は、たしかに暴力描写や性描写はあんまりありません。
あんまり事件おきません。
悪人がいないとよく言われます。
色気が無いといわれます。
自分でもそう思います。

なぜか。
描きたくないからです。
だってイヤだよそういうの。つらいもん。
(厳密に言うと、暴力描写と性描写で、描きたくない理由は違うんだけど、そこまでは書きません)

で、表現の自由って、「書く(描く)自由」はもちろんだけど、「書かない(描かない)自由」もあると思うんだ。
だから、私は描かない。乱暴はしない。漫画の中くらい幸せな世界にさせてよ。男女間も友情は成立する。うちはそういうのがいい。
そういうスタンスで描いてました。今も多少そういうスタンスで描いてます。

が、それだけだと、どうしても行き詰る。それもわかるんだ。
「どんなにつらいことがあっても、人は未来に向かって立ち上がる」というテーマで描きたい、と思ったら、「どんなにつらいこと」をちゃんと描かなきゃいけない。
それは、つらいからってお茶を濁して描いてはいけないわけで。
でも、描けない。
単純に技術の問題もあるけど、「自分が描きたくないことを描く」というのがしんどい。
主人公以前に、作者がその厳しさに立ち向かえない。
だから、昔むかしに描いてた探偵のシリーズは、ギャグにして、一応犯罪もあるけど、ビックリするほどリアリティがないつくりになってました。

でも、もう目をそむけてはいけないのだなあ。
そんな風に感じた時期がありました。
で、漫研の会誌に実験的に描いたら描いたで、「朝に読んだら一日立ち直れない害のある漫画」とか言われたり(実話です。万が一ここ読んでたら、ごめんね無断で引用して)。
…今手もとにその画像がないもんで、画像は出せません。超鬱漫画でした。しかも人が白骨化して亡くなります。
どうすればいいんだ。つらいから描きたくない。でも、描かなきゃいけない。
あまりいい印象は与えない。読者にまでつらい思いをさせてしまう。でも、それを抜くと味気ないのもわかる。

そういうときに描き始めたのが「狩谷さんの相談日誌(旧)」シリーズでした。
今のところ、自作の漫画では一番、自分の脳内検閲がゆるいんです。
なので、それまではあんまり描いたことないような描写も所々出てきます。それは今も変わってない・・・はず(汗)。
そんなこんなで、実はこれが自分の漫画にまともに出そうとした犯罪者の最初…かな?
没ネームです。鉛筆書きで見開きになってます。実は旧シリーズ第2話になる予定でした。
男が刃物向けてます。

狩谷さん没ネーム(別ウインドウが開きます)

…没にしました。
読んだら理由は一目瞭然かと思います。
うそ臭いです。いや、いないだろうこんな奴。
そして、実際これを描いてた頃、本当に小学校で殺傷事件が起こりました。(ご冥福とお見舞い申し上げます)
現実は、そんな甘いことは全然ありませんでした。ひどいです。あんまりです。
そして、自分のぬるさも思い知りました。やっぱり描きたくないよこんなの。

これで一度、また事件とか悪人とかの描写から遠ざかったのですが、やっぱり避けて通れないので、頑張って描いてみたのが、こちら。
誘拐犯です。

旧シリーズ「狩谷さんの相談日誌・4 青影ミラー」から一部(別ウインドウが開きます)

…まあ、こちらもあんまりリアリティない。
ちなみに、この後女の子達は助かって、誘拐犯は捕まります。

だもんで、流血描写、というのは本当にないわけで。
自分自身、血を見るの本当にイヤだもんで。
(変な話ですが、前述のギャグマンがでは描いてました。ギャグだといいのか自分)
やっと見つけてきたのが、これ。一応痛そうです。
後半は、女性の裸も出てきます。これが唯一の性的描写?(←調べてみたら、結構裸は描いてた。意外だ。あとで書きます)

旧シリーズ「狩谷さんの相談日誌・5 味方のスキマ」から、冒頭とラスト

…現シリーズの「ロング・ショートサーキット」を思い出した方が、いるでしょうかね(汗)。登場人物は一部同じですが別の話です。
この漫画、暴力描写とかいう以外に、自分の中のドロドロと暗い部分が存分に出ている漫画になってしまって、本にして出していいのかどうかすごく悩んだんですが、結果的に「面白い」という感想を一番頂きました(苦笑)。
やっぱり、こういうの、避けて通れないんだなあ。でも、本当にしんどかった。今思い出しても泣ける。

で、これのちょっと前に描いたネームがあります。
以前「うちの師匠が日本一!」という漫画に描いて、今、「モザイクの魔術師」という小説で書いているシリーズの、いわばパイロットフィルム版です。
結局、その重さに耐え切れずに私がつぶれて、未完成になりました。
でも、今まで描いた中では、たぶん一番の悪役はこの人だと思うので、色々と出していいんだかな内容ですが、上げてみます。
鉛筆書きな上、紙が黄ばんで読みにくいです。
その上絵を省略しすぎてたので、所々デジタルで描き足してます。
殺人犯…自殺幇助、かな? …、作中の当時のセリフだとわかりにくいですが、平たく言うと人とって食っちゃう人が出てます。最終的に、人が亡くなってます。

「モザイクの魔術師」パイロット版(別ウインドウで出ます。ちょっと重いかも)

…どう、ですかね。自分ではこの辺が限界でしたが、一般的な漫画では珍しくないかもしれませんね。
この中の、糸目の人ですが、はい、「うちの師匠が~」にもちょろっと出てます。今でもブログにときどき落書きで出てますね。
そのくらい描きたかった人だったんですが、正直今でもこの物語は決着がつけられない。
そんくらい重い。
その反動で、「うちの師匠が日本一!」は、全く事件らしい事件がおきない漫画になりました。
(事故や災害はおきてるけど…)
そして、かなりの低評価をいただきました(苦笑)。

でも、どうしてもケリをつけたかった。登場人物たちに申し訳が立たない。
主人公の師匠やかりんには、私みたいなヘタレになってほしくない。
というわけで、そいういのもあって、小説モドキ書いてます。
小説ではこの人、本当に全然設定変わっちゃったけど、まあ他の人たちも色々変わっちゃったし。
今は本当にスタミナなくて、創作活動もままならないけど、必死で考えて考えて、がんばって少しづつですが、あのときの決着をつけられそうな気がします。そうありたい。


で、今の作品をザッと見て。
…うん、なんていうか。あれだ。こうして以前のを見比べると、逃げ入ってる、ような。

今の狩谷さんシリーズだけ見ても、万引きとか女性の裸の胸とか(「マジメ織りの目」)廊下に広がる血とか刃物がザクッとか、体になんか刺さったりとか、子どもを殴る前や殴った後とか、ひっかいたところとか(「キル≠キレ」)教師がその言葉遣いはどうよとか、自殺をほのめかしてたりとか(「ロング・ショートサーキット」)あります。ありますけど。
なんていうか、直接的な表現は避けてるんですね。ハッキリ描いてない。
流血も、もののたとえ的な表現のコマのなかにあるだけだし、殴ってるシーンもその瞬間は描いてない。体に刺さってるのもファンタジーの次元のものなので、血は出ない。比ゆを直訳した画像、みたいな感じ。

あれこれ見たら、ネタバレなところが多かったので、とりあえず例として、「キル≠キレ」から。

kirukire.jpg切れてない

だからといって、表現が巧みになった、という感じはしない。
てか、逆に下手になった、と思った。
暴力的な描写を描けば一人前、というわけではないし、そう言うつもりも全然ないです。
ただ、どう描くか、を検討したうえでのこの描写、ではない気がする。
その辺の逃げてる感じが読者にも伝わって、この現状になってるかもしれないと今ちょっと思った。
「キル≠キレ」も、「ロング・ショートサーキット」も、かなりしんどい思いして描いたけど、必要ないところでムダにしんどがってたんかなあ。絵もヘタになってる気がするし。

昔から逃げる傾向はあったけど、どこで道間違えたんだろう。
だからうちは人に乞われるままに作品の感想を送るだけの要員としてしか見られないんだろうか。
もううち、ちゃんと描けんのかなあ。みんなはもうとっくの昔にそっぽを向いている。
はあ。泣きそう。

女性の裸に関しては…そうですね。
昔も一度ほぼ全身描いてるんですが、そのときもお化けだったんですよ。↑のも、村森さん(お化け)なわけで…今のところ、「人間の」女性のヌードはない、かも(苦笑)。
あと、これは昔、男の水着姿を描いたときにも言われて、でも未だに直らないんですが、乳首を描けません。なんか、描けないんです。この辺は新たな課題…にしたくないけど、そのうち向き合わないといけないんだろうなあ。
単純に「性別」というテーマだけなら、「夢への扉」とか、描いてはるんですけど。一般的にはぬるいかと。
小説「モザイクの魔術師」一巻には、チェリーボーイとか言葉は出てくるけどさ。その程度です。


上手く描けません。つらいことは描きたくありません。
だから普段は描きません。
でも、なんていうか、描かなきゃいけないんです。本当に描きたいもののために。
そういう漫画だ、と思うときがあるのです。
一応、それに挑戦はしているのです。
どうかこれからも、挑戦させてください。

表現する自由、しない自由、挑戦する自由。
自分はあんまり暴力描写も性描写もできれば描きたくないけど、上のどれかの自由を制限するということは、他の自由も制限することだと思います。
だから、表現の自由はあったほうがいいと思う。あって欲しいと思う。なきゃいけないと思う。


そんなこんなで、なんかうまくまとまらなかった(汗)。
ココまで読んだ方、いらっしゃるでしょうか。いたら、ありがとうございました。お疲れ様です。
なにかありましたら、メールフォームやコメントなどでよろしくお願いいたします。
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コメント

1. 無題

悪や不幸をどうやって描くのか、難しい問題ですね〜。

ひとつの方法は、取材することだと思いますが・・・たとえば、犯罪被害などはルポも多いですよね。戦争のルポも多い。捜せばすぐ見つかる。

その上で、どういう表現にするのか、自分で決めるしかない?
どこが落としどころなのか、婉曲表現なのか、直接的な表現なのか。

都条例については、ホントは、ハガキなどを都議に出してアピールするのが最も効果があるようです。僕も都議・衆院議員あわせて、30通ほどハガキ出しました。
このあたりを読んでください〜
http://angels-pathway.clanteam.com/What_to_do_101123.html

2. 無題

コメントありがとうございます。

自分も描くときは、なるべく色々見たり聞いたり調べたりするようにはしてるつもりですが、結果に全く反映できてないようです。気をつけます。

…なんだか今の状況は、本気で悩みを相談したら「それは自分で努力するしかないよ」とだけ言われたときの寄る辺のなさに似てる気もします。書いていただいたこと、書いていただけなかったことを肝に命じて精進いたします。どうもありがとうございました。
文章ヘタで本当にごめんなさい。

都条例関連のサイト情報ありがとうございます。自分もいくつか見てはいますが、自分がこんなな上遅筆なので、手紙を書いても逆に「ほらみろ反対派にはこんな怪しい奴がいる」みたいなネガティブキャンペーンにしかならない気がするので二の足踏んでます。
この記事にしても、なんとかなればという思いで加筆修正繰り返してますが、やっぱり消した方がいいような気もします。自分の主張も伝えられないのでは、上げているだけ害になると思えてもくるのです。

3. 無題

自分で努力、というか、そこがやっぱり他人には任せられない創作の根幹だと思うので、あまりたちいらないようにしているところはあるかも。

とはいえ、だいたい漫研とかイベントのオフで、数人集まって、自分たちの創作についていろいろダベったりするとけっこう解放されたりするときもありますがw

たとえば、伝えられない、とかそういうフラストレーションは、僕自身では、創作のモチベーションになります。つまり、言いたいことが伝わっていて幸せならあんまり創作しなくても良いと思うわけです。もちろんそうじゃないスタイルの人もいるでしょうけど・・・

たとえば残酷なシーンってどうなんでしょうね。今は、かなり、残酷なシーンでもさっくり描いてしまう人が多いですし(「なるたる」とか)、エログロに関する規範というのはかなり薄れていますね。そういう表現を受け入れる、というか、心理的なリミッタを外して共感するというのは、どこかニヒリズムが必要だと思います。たとえば死んでしまえばみな同じだという視点に立つこともできる、という感じです。もちろん全てがそうではなく(そうだったら創作する気もおこらん)、一つの視点として自分の中に持っているということだと思います。

4. 無題

遅ればせながら、コメントありがとうございます。

オフで創作についてダベる…うらやましいですね。
自分、あまりそういうことがないので。
まず、話しても伝わらない。
その上自分が短気で、しかもいわゆる痛い人なので、話したところでみんな避けていくのです。当然です。

自分でもいかんと思って気をつけてますが、どうやったら伝わるんだか、もうわけがわかりません。ましてや、頭にきたときなんかはもう、止められません。
だから、こんだけ自分の漫画のこと言ったのに漫画に付いて全然触れてこないとか、この前のコメントで書いたたとえ話で言うと、「こちとら必死で悩みを打ち明けたのにそんなわかりきったことしか言えないのか」みたいな状況になると、すごく危険です。もうそれで、何人友達なくしたかわかりません。
危ないなと思ったら、逃げてください。
スルーじゃないですよ。中途半端なスルーは、ますます頭にきてしまうので、どうか勘弁してください。逃げるんです。いいですか。お願いします。


伝えられないフラストレーションは、言われるまでもなく創作の源泉になってはいますが、自分は創作しても何も伝わらないとわかってからは、なんかもう…なんていうんですかね、こういうの。八方ふさがりでしょうか。

残酷描写については、自分はかなり苦手なほうなので、規範は相当にほしいのですが、それを制度としてつけるのはとても難しい、てかムリとも思います。

たとえば、かなり個人的な例えですが、高橋葉介漫画だったら内臓飛び散ってても私は読めます。でも、読めない人もいると思います。
楳図かずお漫画だったら、私はギャグマンガだとわかってても怖くて読めません。でも、読める人は多いと思います。
こんな状態に、どうやって規範をつけてもらえばいいのか。

ひょっとしたらいただいたコメントを誤解して読んでいるかもしれません。わかってなかったらごめんなさい。
たぶん、自分が残酷描写を受け入れるかどうかの境目になっているのは「絵」と「これは漫画であるという確信」だと思います。
あれです。漫画の中にヒョウタンツギが出てくると安心する、というタイプです。
でもどこを重視するかなんて、個人によって違うと思うから、色んなものがあっていいとおもうし、だからこそ色んな視点が自分の中に必要になるから…あー。

ごめんなさい。かれこれ一時間くらいこれ書くのに費やしてるんですが、うまくまとまりませんでした。
今のところは、残酷描写については、↑のような感じでグチャグチャしてます。
中途半端でごめんなさい。

12/10追記
誤解を招く文章で申し訳ありません。下に追記書きました。誤解解けるかどうか自信ありませんが、この文章を消すのは卑怯かと思うので。

5. 追記

見てるかどうかわかりませんが、自分の頭の整理のために追記。


前のコメントレスで「規範が相当欲しい云々」と書いてる…大変申し訳ありません。この書き方は誤解招く。
(上のコメント、あわててしまい追記はつけましたが、それ以外文章はいじってません。混乱して余計なことしてる…ごめんなさい)

法規制してほしいわけではありません。絶対に。
だって、これが怖いとかなんとかは、私の個人的な好みだし。
そんなことに全国民巻き込むとか、ないわー。(←こうやって書けばよかったのか…そうか)
それに、好みは将来どうなるかわからないと思う。面白かったと思う可能性を残しておいて欲しい。

「怖い」とか「残酷だ」とか、そういう漫画って、まず自分で実際に読んでみないと、自分にとって怖いか、残酷か、わからないと思う。

実際、自分でも「面白いし、この漫画なら読める」てときどき驚いたりする。これは、読むことが出来たからだと思うし。大人になったら読めるようになった漫画も多いし。
読んだ上で、「怖い」と思うか「残酷だ」と思うか「いいねこれ」と思うかは、その人の積み上げてきてるもの(経験とか?)によるのかなあ。
だから、「残酷だ」も「面白い」も、等しく本の感想となりうるというか。

漫画ばかり、でも、推薦図書ばかり、でも、等しく「偏った読書」になると思うんだがどうなの。

…だから、大事なのは個々のなかにいかに規範と容量を持つことか、であって、法で表現を規制することじゃないと思います。
規制されることで、今、または将来気が付くかもしれない面白いものを読めなくなる、読書経験値が増やせなくなるほうが問題は大きいと言うか。

…あああやっぱりまとまんなかった上になんか論点ずれてきてる気がする一日考えたのにごめんなさいorz
混乱してるのは私だけか。そうかもしれない。

6. 無題

まああんまりまとまった話にはなりませんが、だべりということでw

高橋葉介、たぶん内臓すぷらったシーンよりも、たとえば「墓掘りサム」みたいな話のほうが怖いと僕は思います・・・ じっさい、小学校のころ、初めて読んだ時、けっこう暗澹たる気分になったことが・・・。

んで、内臓とか死体が怖いのは、やっぱり人間が「物」になってるからだと思います。僕は学生時代、図版のある法医学書を医学部図書館で借りてきて読んだことがありますが・・・ まあ法医学書ですから、事故死、自殺、他殺の死体写真のオンパレードでして・・・。今では死体写真なんてめずらしくないかもしれないですが、当時、ひととおり見た後は、かなりキたなあ。なんというか、自分の腕とかあらためて見ても「物」なんだって感じがしてくるw

言い換えれば、普段は、人間を見る時に「物」としては見ていないんですよね。何か、ひとまとまりになった「キャラ」として見ているとでもいうか。「物」として見る、というのは、キャラを描いた線の太さを逐一調べるような行為なわけです。

「死」も同じで、たとえば、人が死ぬということを直視することはほとんどないわけです。何か、物語の結末で大団円を迎えるのを見ているように思っている。

7. 無題

あと、規制とか弾圧については、歴史的にはもっとすさまじい話がありますね・・・。

ナチス・ドイツのユダヤ人弾圧については、山のように資料がありますが、「あのころはフリードリヒがいた」(岩波少年文庫)をお勧めします。

最も怖いシーンは、ユダヤ人の家族に対して、隣近所のオッサンが「すまんな、うちもナチスに加入することにした。だからユダヤ人であるあんたらともあんまりつきあえなくなるが、悪く思うな。だって他には仕事がないんだ。」というシーンですね(かなりうろ覚えです)。仕事を首にされるか、ユダヤ人を差別するか、二者択一を迫られたら、ほとんどの人が前者を選ぶだろうからです。これは怖い。

あとはソ連の歴史をWikipediaで読むと、それだけでもうお腹いっぱいになれます・・・。特にスターリンとかレーニンの項目はえげつないです。映画「カティンの森」もこわい。なんであんなことが起こるのか、まさに人間が「モノ」になっていますので。生きたまま。

で、たぶん、今回の規制を仕掛けた人達は、そういうやり方を、ある意味知っているのだろうと思います・・・。

8. 無題

コメントありがとうございました。

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