書籍初収録って、マジですか…。
本屋に行ったら、こんな文庫本が。
「私の大好きな探偵 ~仁木兄妹の事件簿~」仁木悦子(戸川安宣・編)ポプラ文庫ピュアブル
…まあ、「仁木兄妹の探偵簿」があるから、ちょっと見るだけでいいか、と思ったら、「書籍初収録作あります」とか帯に書いてあるし。
その場で立ち読みしてみたら、確かに読んだことない。
兄が中三、妹が中一って。
殺人事件おきてないし(!)。
…買いましたよ(苦笑)。
仁木兄妹シリーズから選りすぐり5編を載せた短編集。
発表順ではなく、兄妹の年代順に並んでいます。
みどりの香炉(←これが書籍初収録。「中学生の友一年」掲載作だって。なるほど)
黄色い花
灰色の手袋
赤い痕
ただ一つの物語
…素敵だ。
最後のだけは、妹・悦子が結婚して二児の母になってからの話で、雄太郎兄貴は出てませんが、それでもこのチョイスは素敵だ。仁木悦子の美味しいところをたっぷり味わえます。
終わりのほうに、当時の金銭価値とか、簡単に用語の説明とか載ってるのも嬉しい。
冒頭に登場人物の紹介(イラスト付き)巻末に作者や作品の解説もあって、はじめて仁木悦子読むよ、という方にも優しい仕様となっております。
そして、雄太郎兄貴のたいへんな植物マニア(控えめな表現)ぶりは、中三から変わってない、というのがよくわかって、個人的には非常に楽しい一冊になってます。
「みどりの香炉」みたいな、「殺人が起きないミステリ」もっと読みたかったなあ。
解説に、気になる文章が。
「(略)近い将来、三影潤ものの傑作選をお届けできる機会が持てれば(以下略p226)」
…持ってくれ! いや是非持ってください!
適度にハードボイルドな三影潤シリーズも大好きなんだよ~お願いしますよ~!
しかし、メインタイトルが「私の大好きな探偵」だから、なにかこういう感じで色んなミステリシリーズでも刊行されるんだろうかね。調べてないからわかりませんが。