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「小さなひしゃく」亭・ロビー

三月やよい個人創作漫画サークルのブログ。 漫画からイラストから、園芸から料理やなんかまで、無軌道な創作の記録(汗)。

誰かさんの何とかの冒険

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誰かさんの何とかの冒険

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ラジオドラマの中でも、頭カチ割られるわ、犯人呼ばわり?されるわ、船酔いするわ、拳銃すられるわ(順不同)なんやかんやで苦労の多いヴェリー部長刑事…のつもり(汗)


エラリー・クイーン『ナポレオンの剃刀の冒険』(飯城勇三・訳、論創社)読み終わりました。
ちょこっとそれについて。

あ、トリックとかロジックとか、そういうミステリ関連の話は全然ありません。特にネタバレありません。
主に、ヴェリー部長刑事さん(脇役)について思いのたけをだらだらと書きます(笑)。
引用は、出典書いてないものは全て『ナポレオンの剃刀の冒険』からの引用です。
作者は「クイーン」、作中の主人公は「エラリー」と書いてます(同じ名前なので)。

書いてみたら、やっぱり長くなった(汗)ので、畳みます。「つづきはこちら」からどうぞ。
ではでは。


この本はクイーンが書いたラジオドラマのシナリオ集です。
解説によりますと、1939年から1948年にかけて放送されたラジオドラマで、クイーン自身が脚本を書いてます。その中から寄りぬいたシナリオ8本収録されてます。
基本的に主人公で作家のエラリー、その秘書ニッキー、エラリーの父親クイーン警視、その部下ヴェリー部長刑事の4人がメインの登場人物です。


で、しつこく書いてるからお察しかと思いますが、私はクイーンの小説に出ているトマス・ヴェリー部長刑事がめちゃくちゃ好きなのです。

…らしく描けてないのは百も承知です(泣)。
でも、こうやって描いて「似てないなーでもせっかく色々考えて描いてみたから、自分の漫画に出そう」…と、キャラクターが出来たりしたので、その辺お許しいただけると嬉しいです。
ちなみに、自分の漫画に出すと、だいたいキャラが変わります。やっぱり似てないらしい(泣)。

小説では、体が大きく、力も強く(5人の凶漢の武器を取り上げ口も聞けないようにして床にきれいに並べることができるくらいの強さ)、声も低く、クイーン警視の右腕として活躍しています。妻子がいて、すでに髪は白髪交じりらしいですが、そんな歳でもなさそうです。

あと、意外に手先が器用です。機械に強い? 本シナリオの中では、「<暗雲>号の冒険」で、その辺をちょっと発揮しています。小説では…さすがにパッと出てこないけど、『ギリシア棺の謎』で暖炉の中から紙片を取ったりとか、どの作品だったかで、鍵をなんなく開けちゃったりしてたかと。

(あえて一つ書いてないことがありますが、それは後述)


で、メイン4人中3人がオッサン(失礼)という状況で、個性を出そうと思ったら、話し言葉に個性を出すのも表現の一つかと。
というわけかどうか知りませんが、部長さんの言葉遣いはちょっと変というか、比喩を多く使う話し言葉になってます。
(ただ、アメリカの会話では常套なのかもしれない。その辺は不勉強でわからん)
ちなみに、学術的というかペダンチックな話し方はエラリー担当です(笑)。


ラジオドラマなので、やっぱり読んでてセリフが楽しい。
(ラジオドラマだからか、向こうの話し言葉がそういうもんなのか、「!」が多めで、表現も本より騒々しい感じがしないでもないですが、たぶん音として聞いてみたら気にならないんだろうと思う)

個人的には、一番最初にクイーンを読んだのがラジオシナリオ「ジェイムズ・フィリモア氏の失踪」だったから、それの原型「ショート氏とロング氏の冒険」が読めて嬉しかったです。

…「失踪」と微妙に違うのが楽しい。原文にはあるけど翻訳で削ったのもあるみたいですが。
まあ、「このチビの悪魔は、日本人(ジャップ)よりもずるがしこかったですな(p180)」(悲・戦争中だったかららしい)とかは正直なくても…(これ「失踪」のほうにあったら…どうかなあ)。
でも、「(石炭すくいに暖炉たきで真っ黒になったあとで)今度は小麦粉の樽の中だなんて言ったら、あたしは帰りますぜ!(p171)」とかは、なんで削ったのかなあと思う。いや、確かにすんごくしょうもないお決まりっぽいセリフだけどさ(苦笑)。

…そして、やっぱり自分は「赤ん坊の首のように何の抵抗もないですな(p157)」という言葉が好きなことを再確認。
(ちなみに、「失踪」の翻訳では「赤ん坊の首みたいになめらかに運んでますよ(『シャーロック・ホームズの災難(上)』p186)…改めて、物事が順調かどうかを表現するのにこんな表現するのかなと思う)

でも、読んでて部長さん以外でも好きな会話や言い回しシーンとかあるから、たぶん自分はクイーンが書く話し言葉のニュアンスが好きなんだと思います。訳者のおかげともいえそうですが。
そんな私なら、そりゃあラジオシナリオにはまるというもんです。
(ハードボイルドでの比喩に比べて、子ども心になじみやすかったのかも。少なくとも自分には)
この日記のタイトル「誰かさんの何とか」も、クイーン警視のセリフだし(苦笑・p58。ナポレオンの剃刀のこと)。

(いや、実際は、先に書いたように抵抗感じるときもあるし、読んでて寒い時も…本シナリオだと「呪われた洞窟の冒険」p189の、大自然を絶賛している部長さんのセリフとか…はずかしー! 詩人とか言われてるけど読んでて恥ずかしいよ部長さん!)

キャラのバランス上か「本よりもずっとコミカルな人物になってしまった(p4)」部長さんですが、これはこれで楽しくていいと思います。国名シリーズでは寡黙で無表情が多かったですもんね。それはそれでいいですが(なんでもいいのか)。


で、だ。
さっき置いといた、部長さんを語る上で重要(か?)な特徴に、「エラリーを『大先生(maestro)』と呼ぶ」というのがあります。彼のことが紹介されるとき、だいたいこのことが書かれます。

翻訳によっては、先生、大将、御大、巨匠などありますが、私は「大先生」の尊敬と茶化しが絶妙にブレンドされた感じがとても好きなので(笑)これで統一します。本シナリオでも、「大先生(に、「マエストロ」とルビがふってある)」ですし。

で、この「大先生」。
どうでもいいといえばどうでもいい話なんですが。
気づいてる方もいらっしゃるかと思いますが。

部長さんは最初からエラリーを「大先生」と呼んでいたわけではありません!
たとえば国名シリーズでは「クイーンさん(Mr.Queen)」と呼んでます。
だから、紹介で書くなら「人間が犬をかむ」から(たぶん)そう呼ぶようになったとか書く方が。


本シナリオでも、チェックしてみました。やっぱり放送年によって「クイーンさん」と「大先生」に分かれてるっぽい。

 クイーンさん→「<暗雲>号の冒険」(1940年6月23日放送)
          「悪を呼ぶ少年の冒険(部長さん「大賢者どの」また、ニッキイが「大先生」と各一度呼んでいる)」(1939年7月30日放送)
          「呪われた洞窟の冒険」(1939年10月22日放送)
          「ブラック・シークレットの冒険」(1939年12月10日放送)

 大先生   →「ショート氏とロング氏の冒険」(1943年1月14日放送)
          「殺された蛾の冒険」(1945年5月9日放送)

 「ナポレオンの剃刀の冒険(1939年7月9日放送)」は、エラリーを呼ぶ場面がないし、「三人マクリンの事件(ん?これいつだ?)」では部長さん出てないです。

それにしても、なんで「大先生」て呼ぶようになったの?
そこに何かあるんじゃないの?
セリフと音で全てを語らなきゃいけないラジオドラマだからこそ、その糸口がありそうにも思います。


…いち部長さんファンとして、この問題(?)を、某所で発表すべく長いこと試行錯誤していたのです。
(薦めてくれた方がいたというのもある)
ですが、文章で書いて挫折し、漫画にしてみて挫折し…書けなーい! わからなーい! まとめられなーい(涙)!


ブログで少しづつ書いてみて、少しづつまとめて行くこともできるだろうか。
つづく、かもしれません。

本シナリオの続刊も、切に希望しています。
てか、シナリオ全部読める日は来るのでしょうか。


実はこれ、かなり時間かけて推敲したりしてるんですが、どうにも変な文章(泣)。
ここまで読んで下さった方、本当にごめんなさいです。
間違いなどありましたらお教えいただけると嬉しいです。
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プロフィール

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三月やよい
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女性
自己紹介:
行動がついていかない春生まれ。
北海道出身。結婚後福島県→宮城県。
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